のぞみの丘保育園 ブログ

のぞみの丘保育園は益城町北部、広安小学校北側の竹林の中にある45人の認可保育所です。 就学前に豊かな人間性の根っこが形づくられます。本園では特に日々の屋外活動を通して心の強さづくり、豊かな心、そしてかしこい子どもづくりを目指します。

2017年11月

今回は「いじめ」についてです。

最近の報道によれば、小中高でのいじめ把握件数が、前年度比約10万件増えたとのこと。子を持つ親としては、「え、そんなに!?今どきの学校は、子どもはどうなっているの…」と不安が募る数字です。しかし、この数字の実情は「いじめの定義」が変わったことにも影響があるようです。
いじめに関する法律の成立で、13年度から「一定の人間関係のある子どもが心理的・物理的な影響を与える行為で、相手の子が心身の苦痛を感じているもの」となったそうです。いじめを苦に小中高生が自殺する社会問題となり、些細なことでも重大な事態につながりかねないということで、早い段階から対応することが必要だと定義も変化。認知件数の6割は、「冷やかしやからかい、悪口や嫌なことを言われる」ことだそうで、その場限りのちょっとしてケンカでも、相手が「いじめ」と言えば「いじめ」として把握件数に上ってくるのですね。

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≪土手ジャンプ大会だ!≫ 

しかし、そうした数の把握は一体どんな効果があるのでしょうか。こんな行為も相手にとっては「いじめ」となると認識させ、だからそういう行為はしないようにと、未然にケンカやトラブルを防ぐため…?子ども達のからかい、悪口、けんか、いじめ…そもそも感情を持つ人間である以上、そういった行為はゼロにはできないのではないか、大人社会でも存在することなのに、まだ社会経験の少ない子どものいじめをなくすことはできないのではないか。そういういざこざ、トラブルを通して、そういう場合にどう対処したらよいのか、相手はどう思うか自分以外の立場になって考えてみる。トラブルは捉え方によっては、そういった経験を積むことができるチャンスなのではないか、それが社会性を身に付けるといことではないか、と考えるのです。

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≪2メートルくらいはある土手なのです!度胸試しだ!≫

いじめは無くならない”その前提で、そういった困難にぶち当たった時に折れてしまわないように、幼児期から子ども同士もみ合って、心身ともに強くたくましい子どもに育てていく必要があるのではないでしょうか。親の愛情とは、子どもが求めるままに何でもしてあげることなのでしょうか?かわいそうだからと、ついつい手を出したり何でも買い与えたり…それは子どもが親から自立することを阻むことになり、挙句の果て、親が老いてもいつまでも子どもが自立せず、面倒を見なければならなくなる…それではお互いが不幸です。

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≪るきと、羽ばたきます!年少以上の子の多くが飛べました!≫
 

もっと子どもの人生を長い目で見て、子どもの自立を助けるためには、強くたくましく生きていくためには、子どもに敢えて大変な思いをさせたり、辛抱させることが必要なのではないでしょうか。親がすることは、子どもが自分で困難を乗り越えられるように、そばで見守り励ましていくことではないでしょうか。からかいやいじめを受けたとしても、それを排除するのではなく、それをも利用して、子どもを伸ばすためにはどうしたらよいのか考える。トラブルの受け止め方次第で、子どもを弱くしてしまうか、強くたくましくするのかの分岐点にあるのですね。

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≪寒い日が続いてます。みんなでおしくらまんじゅうだ!誰のお尻が一番強い?≫

のぞみっ子達はと言うと…ケンカ・トラブルは日常茶飯事!たんぽぽ組でも、取り合い、たたき合い…毎日やっています。そこで保育者がどう介入してどう導いていくか、試される場面でもあります。けがをするような危険なことは、制止させ叱りしますが、それ以外のトラブルは、お互いの主張を聞きだして、トラブルの中にもお互いの良かった点を見つけて褒めたり、大きい子は周りの子達も巻き込みながら、皆で考えてしています。ケンカしている当人同士だけでなく、こういうことしたら相手はこう感じるんだな…「人のふり見て我がふり直せ」と皆の学びの場にもなるのです。そのため「トラブルは宝」。そんな信念で保育しているのですが、保育者も「子どもに言うなら、自分もちゃんとせんと!」自分を見つめ直す、大人の学びの場にもなっているのです。

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≪電柱撤去、見学中!あんなに深く埋まってたんだね!≫

【お知らせ・お願い】
◎本日、健康診断のための問診票を渡しています。今回は、年齢で日にちを分けています。
12月5日(火)・・・以上児
12月12日(火)・・・未満児 となりますので、前日までに記入の上、母子手帳と一緒に提出をお願いします。


【今週の人気メニュー】
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豚の生姜焼き 里芋のごま味噌和え 切り干し大根の煮物 わかめと豆腐の味噌汁

給食の先生より
「しょうがは体を温める効果があります。体温が高いと、風邪を引きにくかったり、引いても治りやすいのです
この季節、食べるようするといいですよ


それはある日の散歩の時間。秋晴れの穏やかな日に、あんなことが起こるなんて…。

 

なずな組のゆうまとしょうたろう。二人は年少で同じ班。今月に入って散歩ペアとなり、どちらが道路側(お兄さん・お姉さん役として、前の子にくっついて歩いたり、リードができる散歩が上手な子が道路側)になるのか、ライバル心メラメラの二人なのです!

 

そんな競い合いながら散歩をしていた時、ゆうまがある道端でキラッと光るものを発見、なんと100円玉!「やった!」しかし、喜んだのは束の間、ライバルしょうたろうがゆうまから100円玉を取り上げます。「なんね!」「拾ったお金だからゆうまのじゃない!」「ゆうまの!」さあ、ケンカ勃発です。歩きながらギャーギャーやっているうちに、あれ、100円がない!しょうたろうが投げ捨てたというのです。悔しいゆうま…ケンカ中に手が汚れたのか、その手で涙をぬぐってしまい、頬は泥付き、なんとも哀れな姿…。

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≪100円巡って争ってる二人!≫

「また見つけようね、ゆうま。」このままこの件は終わってしまうのか・・・と思われた矢先、急展開!なんと、しょうたろうがまだ100円を持っていたことが判明!しょうたろうの主張は「前に車で通った時に、窓からぽろっと落ちた、だから自分のもの」とのこと!なんと知恵もの…。しかし、周りの子ども達は「ゆうまが先に拾ったからゆうまのだ!」と反論。しょぼくれていたゆうまも、味方がついて急に元気を取り戻し、「ゆうまのだから返して!」「嫌だ!」「返して!」…どちらも譲りません。

 

「太田先生が100円玉を二つにパキっと割ってあげようか?」「嫌だ!」 わたるが「100円を50円と50円にして、二人で分けたらいい」さすがわたる!…しかし「嫌だ!」 「啓先生がもらっとく」「園長先生がもらってそれでお菓子を買ってみんなで食べる」…「絶対嫌だ!」膠着状態です。しょうたろうが「この100円は自分がもらって、次に拾った100円はゆうまにあげる」と。…感心するほどの知恵もの!しかし、「何かそれはおかしいよね」と意見が出て、「やっぱり先に拾ったのはゆうまだから、ゆうまにあげないと!」ということに戻りました。

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ほとんどの子がゆうまの味方になってしまったことを悟り、とうとうしょうたろうは泣いてしまいます。それでも認めたくないしょうたろう、地団駄を踏んで、とても悔しい様子…!「うっうっ…」としゃくりあげるまで泣いてしまいました。
しょうたろうが悔しいまま、ゆうまに軍配か…と思われたその時、「ゆっゆっゆっ…」「しょうたろうが何か言いよるよ!」「ゆっゆっゆうまに…ゆうまに…ゆうまにあ…あ…あ…」しゃくりでなかなか言葉が出ないしょうたろう。「しょうたろう頑張れ!」「もうちょっとだ!」今度は皆がしょうたろうを応援!「ゆ、ゆ、ゆうまに…あ、あ、あげるっ!」「やったー!言えたしょうたろう!」

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「ゆうまにあげるって!?勇気を出してよく言ったね、しょうたろう!」皆がしょうたろうを褒めます。ゆうまも100円をもらい、しょうたろうも褒められて、双方が良い気持ちで終えられました。ゆうまも「次にしょうたろうに100円拾ってあげる!」と、しょうたろうに声をかけていました。100円でこんなに皆を巻き込む大騒動(?)に広がるなんて…。

 

ここで大人が「拾ったものは交番へ…」なんて言ったらつまらないですし、また、「ゆうまが拾ったからゆうまの!」と強制的に取り上げたら、しょうたろうは面白くないでしょうし、ゆうまに対して“恨み”が残ってしまうかも。どう持っていけばお互いWIN・WINの関係で収められるのか、大人が変に出ず、子ども達にある程度委ね、周りも巻き込んで、「あーでもないこーでもない」と最善策を話し合いで導き出して行く・・・100円一つでも色んな勉強の広がりがあり、本当に面白いです。

 

後でゆうまに「100円で何買うの?」と聞くと、「自動販売機に入れてジュース買う!パパにはビールね。けんちゃんにはジュース、先生にはオレンジジュース買ってあげる、そして△△には…」100円で夢ふくらむね!

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 ≪にいにい、けんごにも買ってあげるって。よかったね!・・・それはさて置き、どうした !?≫

【お知らせ・お願い】
◎本日、歯科検診の結果を連絡帳に挟んで渡しています。治療等が必要な子どもさんは、早めに歯科受診をお願いします。受診された際は、下部の治療報告書の提出をお願いします。

◎次回のセミナーは12月2日(土)です。今年最後のセミナーとなりますので、ご参加お待ちしております。詳細は決まり次第お知らせします。

◎今年の御用納めは12月28日です。来年は1月4日からになります。

◎インフルエンザ、感染性胃腸炎など感染症が流行する季節となりました。予防接種等、各家庭でよろしくお願いします。また、人込みを避けるなど、週末の過ごし方も大切です。ご協力をお願いします。

【今週の元気もん】
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のぞき3人組・・・鼻つぶれてるよ

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たいち行くよー なかなか泣き止まないで、いやいやするたいち そんな時は・・・
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「え」 置いてけぼり作戦 泣き止んで手をつなげたら、しっかり褒めて
その繰り返しで、少しずつ我慢を覚えていきます

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よく散歩で通る畑で、落花生(掘りたて)をいただきました貴重なものをありがとうございます

【今週の人気メニュー】
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豆腐とごぼうの落とし揚げ 棒棒鶏サラダ さつまいもの甘煮 大根の味噌汁 ミニトマト(まさかずくん家より)

給食の先生より
さつまいもは掘りたてよりも1、2週間置くと甘みが増します。(泥付きをそのまま新聞紙に包んで、涼しいところで保管)




11月4日(土)、セミナーが開かれました。今回は、のぞみでセミナーが始まって以来の参加人数、22家族・25名、三連休の中日にも関わらず、たくさんのご参加ありがとうございました。

さて、今回のテーマは「熊本の食の神様、竹熊先生の本を読んで」ということで、給食の松本先生の担当です。

〇竹熊宜孝先生・・・昭和9年生まれ、山鹿市出身の医学博士、昭和50年から公立菊池養生園診療所所長となる。
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≪数日前からとても緊張していた先生…。当日、参加多数と言うことでさらに緊張!≫

今回は、著書『土からの医療』を読んでの感想です。

・「食は薬、たべものはいのち」ということで、自ら命を養う「養生」という理念に基づき、米はできるだけ精白せず玄米や雑穀を使う、添加物を一切使わないなどの食生活を実践されているが、現代の生活のではそこまで完璧にやるのはなかなか難しいと感じた。

・農業従事者に深刻な農薬中毒や農夫症、ハウス病…これは消費者の「夏野菜を冬に食べたい」「虫食いの無い野菜を食べたい」そんな願望に起因するもの。消費者の意識を変えれば、そういった病気も減るのではないか。

・子ども達のために良いものを与えるために、見極める力を付けなければと感じる。

 

松本先生の話にもあったように、竹熊先生の推奨する食生活を実践することはなかなか難しく、実生活とはかけ離れていて、なんだか次元の違う話のようにも感じてしまします。そのため、少し実生活に近づけて考えてみるために、「食事の面で気を付けていることはありますか」ということから、親御さんたちに聞いてみました。

・納豆、味噌などの発酵食品を取るようにしている

・雑穀米にしている 野菜多めの汁物にする

食事に気を付けている親御さんが多いという印象で、やはり自分だけのためよりも、“子どものため、家族のため”と思うと、少しは手間もかけられますよね…。

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≪今回は、群読「もみじ」に挑戦!≫

ここから本題ですが、食事は大切なこと、竹熊先生の実践も、話を聞いたり読んだりすれば大事だ!良いものだ!と感じる人が多いのに、なぜ広まらなかったのでしょう…。竹熊先生も精力的に講演活動され、普及に取り組まれているようですが、世の中の“主流”にはなかなかならない現実…。

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≪「かわいいな!」担当はすみれ。絶好のシャッターチャンスを逃してしまった、ごめん、すみれ・・・。≫

合志さんのご主人は肉屋さんで、ソーセージなどの加工品も添加物が入っているもの、無添加のものを作られているそうですが、無添加のものは手間やコストがかかる割には、「味が薄い」「硬い」「ジューシーさがない」などとクレームがあったり返品されたりで、固定客は1割ほどだそうです。少し前にメディアに取り上げられ、問題になったソーセージやハム等の亜硝酸塩、その時はスーパーに無添加のコーナーも大きく取ってあるのを目にしましたが、喉元過ぎればなんとやら…、今ではコーナーの一角に少しだけ置いてあったり、売れずに見切り品コーナーに並べてあったり…。悪いものと分かっているのに、なぜそちらに流れてしまうのか、良いものと理解しながら、なぜ実践しないのか。

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≪親御さんとの手遊びは、子ども達にとって本当に嬉しいものです!≫

のぞみの給食は、他保育園と比べると品数も多く、食材にもこだわっていることもあり、1食当たりの単価は、他の約1.5倍です。しかし“行事”がないので、他保育園のように行事費などの費用がかからず、食にお金がかけられることもあると思います。また、給食の先生達の努力のお陰で、おやつも既製品に頼らず手作りが多いため、費用も抑えられて、なおかつ体にも良い。有機野菜や無添加の加工物は「値段が高い」と言うが、外食したりイベントや旅行に出かけたり…そういうことには惜しみなくお金を使っている、だから食にはお金はかけられないということも…?子どもにとってどんなお金の“使い道”がいいのか、よく考える必要があるのではないでしょうか。

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≪よかったね、ゆうせい!≫

また、食に関して一生懸命親が取り組んでも、大きくなると反動で添加物入りの食べ物(おいしく感じるための薬入りなので、それは舌にはおいしいはず!しかし体には…?)に走ったり、どんなに養生しても長生きできるとは限りません。すぐ死んでしまうような毒であるならば口にしないですが、食べたからといってすぐにどうなるわけでもなく、しかもおいしく感じられる、そして安い!それならばそちらに流れてしまうのは仕方がないことかもしれません。しかし、数十年かけてじわじわと体に蓄積して、そして結果どうなるか…いまだ人類が経験していない壮大な人体実験が行われているのです。ここ数十年で、アレルギーや癌は増加傾向にあるのは確かです。

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≪こうのすけ君も初参加❤りこねえちゃんも発表頑張ったよ!≫

竹熊先生の活動や志は、残念ながら世の“主流”ではありません。さらに世の中の“主流”はそれとはどんどん逆行していっている現実。のぞみの保育も保育業界の中では、“主流”ではありません。田上さんが他園のママさんにのぞみに通っていると話された時、「あの給食がすごいところでしょ?」そして「あの散歩ばっかりしてるところでしょ?」と言われたそうです。
世間ではのぞみは主流どころか“変な”保育園との評価があるのかもしれませんが、子どもの基本とは何なのかをきちんと捉え、子どもにとって何が大切で必要なのか、どうやったら子どもを伸ばすことができるのかを追求していけば、食も人間関係も乳幼児期から日々コツコツと、本物を食べさせたり、子ども同士揉ませることで作られるのではないかと。特に食は、途中“主流”に走ろうとも、子供の頃に覚えた味、舌は一生ものです。じっちゃんばっちゃんが食べていた昔からある伝統的な食事に、少しタンパク質を足したものがいいのではないか。


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≪わっさん、照れる~❤≫

“主流”でないから、古い・貧しいからなどとは思わずに、よく見れば実は足元に本当の高級品、幸せがあるのですね。流行るものはいつか廃れる…、流行らないけれども廃れない保育園になるよう、これも日々コツコツ努力していくしかないのですね。

 

【お知らせ・お願い】
◎来週13日(月)から、園庭の擁壁工事のため、竹林駐車場の一部が使えなくなります。駐車場が狭くなりますので、車の出入りの際にはお気を付けください。また、混雑を避けるため、子どもさんの送迎も短時間でお願いします。ご迷惑をお掛けしますが、よろしくお願いします。

◎絵本の貸し出しについて、再度お願いです。一人1冊までで、必ず返却した後、新しい本を借りるようにお願いします。

【今週の元気もん】
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最近、夏美先生の畑の方にもよく行くようになりました 
少し遠いけれど、土手登り・ジャンプができるので、皆大好きなコース


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絵本中、居眠りさんを探せ 鬼の絵本だったので、後半、目ぱっちり

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まひろ、一緒に帰ろうワン 「

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「じいちゃん、シップはここでよかね?」そんな感じ この背中はだ~れだ?

【今週の人気メニュー】
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鯖の味噌煮 かぼちゃの煮物 柿の白和え 長ひじきと油揚げの味噌汁

一度、長ひじきの味噌汁が出た時も、子ども達には大人気今回はわざわざ長いまま入れてくれました
さらに、今回は白和えの柿もあり・・・
「長ひじき見つけ」「見て、この長さ」「柿あった」「オレ、5個入っとった」・・・大盛り上がり

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